ねこの舌

ねこの舌

猫の舌は、ざらざらした
「糸状乳頭」というトゲ状のものが
奥に向かって生えています。

この舌によって水をすくって飲んだり、
餌をなめたり、毛づくろいをして無駄毛をなめとったり
臭いや汚れを落とします。

味覚については猫の舌は先端部は敏感ですが、
中央から奥にかけては鈍感なため、
味覚は「酸味」「辛味」以外は殆ど判りません。

嗜好が偏るのは、もっぱら歯ごたえや
匂いによるものです。一般的に猫舌といわれますが、
これは舌ではなく鼻で熱さを
キャッチしているものです。

猫が体をなめるときは、
色々な場合があります。

●体を綺麗にしようとしている時

排泄の後、綺麗にするために
排泄部分をなめたりします。
食事のあとに口の周りをなめたりします。
他、体全体を汚れたと感じた時は
丹念になめます。

●興奮のあとなど、気を落ち着かせたくてなめたりします。

人間でも、赤ちゃんが子供の頃には
指しゃぶりをしたりしますね。

あれは母親のお乳を吸っていた
感覚を取り戻すことにより、
安心感を取り戻すわけです。

猫の場合も同様に、母猫になめられた記憶を
自分で取り戻すことによって、
安心感を呼び戻す行為と言えます。

滅多にありませんが、たとえば酷いストレスに
遭ったりすると落ち着こうとしてやたらと
毛をなめ続け、ついにははげてしまう、
という事例もあります。

●余分な毛を落とす行為

春先などには、猫の毛は自然に抜け変わります。
全部が一度に抜け落ちることはなく、
夏前にはかすかに薄くなり、
冬にはまた毛が増えてきます。

常に生え変わっているため、
猫は毛づくろいをして無駄な毛を取りますが、
舌でなめて全部食べてしまうため、
これらが溜まると「ヘアーボール症」「毛玉症」といい、
胃の中に溜まった毛が球になってしまい、大変危険です。

この為、普段から気付いたときは
ブラッシングしてあげることが必要です。

また、猫は面白いことに、
たまに舌を出しっぱなしにしていたりすることがあります。
長時間にわたり、舌を出しっぱなしにしていて、
よだれがすごく、食欲もない、口臭がひどい、
などの症状も出ている場合は歯周病、歯槽膿漏、
何らかの口内の炎症と考えられ、
獣医師の診察が必要ですが、健康で食欲があり、
少しだけ舌を出しっぱなしにしている時は
病気ではありません。ご安心下さい。


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