猫の里親の探し方

猫の里親の探し方

出産した子猫たちを全部育てきれないときには、
里親を探しましょう。
里親探しに最適な時期は、生後２ヶ月頃です。

子猫も可愛いさかりですし、
順応性もあるので喜ばれる時期です。
あげる前には、健康を確かめ、
しつけを確かめて予防接種を
きちんと済ませておきます。

里親の探し方は、新聞や雑誌、
近くの獣医さんやペットショップに頼んで
貼り紙をしてもらったりして呼びかけます。

インターネットでも数多く里親募集のサイトがあり、
とても有効な手段です。

なかなか友人などではみつからないでしょうが、
頑張って探せば必ず里親さんはみつかるものです。
安易に役所などに処分を頼んだりせずに
自力できちんと里親さんを探してあげて下さい。

里親希望の人が現れたら、慎重に判断しましょう。

判断のポイント

子猫だから可愛いだけ、という人ではないか？
大きくなると平気で捨てたり、
人にあげてしまう人がいます。

ずっと飼い続けていく意志があり、
経済的、環境的に安心できるか？
今は飼えても、事情が変わることがあります。

若い夫婦などの場合、子供が出来て
手放すということや、単身住まいの場合、
引越しの時に手放すということがあります。

飼った経験があるか？

経験がない人にはあげないほうがいい、
というのではありません。

飼った経験があれば知識があるでしょうし、
経験のない人にはわからないことが多いはずなので
予想される飼育上のしつけの問題などの
知識を教えてあげる必要があります。

連絡先、仕事、家族構成、貰った後にも
連絡をもらえるか？など

中には、動物実験などのために
売る人がいます。里親のふりをしてもらいに来ますが、
ちょっとでも不信な点があればあげるのをやめましょう。

子供（まだ親の監督保護下に置かれている児童）が
欲しいと名乗り出た場合には、
親の確認を取ってからあげるようにしましょう。

子供だけが貰って帰った場合、
実際は親に頼んでも飼ってもらえずに
慌ててどこかに捨ててしまったり
返しに来ることがあります。

一人暮らしか？

一人暮らしの場合、大半は仕事などで家を空ける時間が長いでしょう。

猫は当然、留守番猫になります。

本当に飼いたい人になら、
留守番猫になるのも仕方ないのですが、
出来ればやはり家族の誰かに囲まれていたほうが
猫も寂しくない筈です。あげるのが子猫の場合は、
尚更突然一人ぼっちにされてしまうと無気力な猫になってしまいます。

それでもどうしても飼いたい、
という場合は、二匹飼うようにして
子猫同士が寂しくないようにする、
などの提案をしてみましょう。

見に来ても、選り好みしたり扱いが乱暴な人は要注意です。

ペットを玩具視する傾向があります。
動物好きで優しい人の扱いや言葉は、
話をしたり見ていれば、わかるものです。

よく話しをしてみて、どこか気にかかる点のある人には
強引に頼まれても焦ってあげてしまわないようにしましょう。

血統書付の猫を欲しがる人に多いのですが、
顔つきや模様、血統に惹かれて飼う人が多いようです。

どんなに自分の猫を気に入ってくれたとしても、
動物自身を愛せる人でないと不安ですよね。

焦って決めてしまい、後になってもっといい人が現れて
「ああ、失敗した」となっても遅いので、
期間を決めて本当に納得できる人がみつかるまで
ゆっくり探してみましょう。

不安に思う点などがあれば、
こちらからどんどん質問してください。
もらう側は、とにかく欲しい気持ちでいっぱいで強引だと思います。
その点を頭に入れて、
断り方も練習しておくと良いと思います。

「今日すぐにはお渡しできないので、
家族と相談して明日連絡していいですか？」
「何人か候補の方がいるので、
少し時間をいただきたいのですが
数日お待ちいただけますか？」など。

ゆずる時の段取り

里親さんが無事決まったら、
次はゆずる時の準備をします。
こちらとしては、生まれた子猫が十数年、
相手方の家で暮らさせてもらえるのですから、
誠意をもって引き渡すように心がけたいものです。

輸送手順を考えて、無理ないスケジュールで
子猫の体調の良い時を見計らって届けてあげましょう。

中にはそのまま連れて帰りたい、
という人もいますが、出来ればどんな環境で
飼われるのかを自分の目で見て確かめておくことが理想です。
何か相手方に困ったことがあった時など、
家を知っておいたほうがスムーズに駆けつけられるからです。

電車やバス、車、飛行機、どの乗り物の場合も、
抱いて乗ったりせずにキャリングバッグに入れて移動します。

また、食事の後２時間以上はおいてから
乗り物に載せます。乗り物に乗せたら酔いやすいので
途中で餌を与えたりしてはいけません。

車は乗り物の中で一番酔いやすい乗り物です。
車で移動する時は座席の上に
キャリングバッグに入れて置きます。
下にじかに置きますと振動で酔います。
窓は少し開けて、換気を良くしてあげましょう。

また、車内に置きっぱなしで
長時間離れないようにしましょう。
夏などは車内の温度が急上昇して
熱射病などの危険があります。

また、ノミ取り首輪やきつい首輪は
移動の際には必ず外しましょう。

ノミ取り首輪は殺虫効果のあるガスが
微量ですが出続けています。

この首輪をしたまま狭い所に閉じ込められた状態ですと
猫も中毒を起こして危険です。
勿論、カゴの中に一緒に入れておくのも厳禁です。

キャリングバッグは狭くない、
猫が体を入れても楽なものにします。

窮屈な入れ物で慣れない乗り物に乗るのは猫も苦痛です。
自動車でしたらミカン箱くらいの
ダンボールに空気穴をいくつか開けて
移動するのも良いでしょう。息苦しくならないように、
空気穴といっても小さい穴でなく、
少し大きめの穴を通気が良いように開けてあげましょう。

中に色々とタオルやおもちゃなどを入れても
乗り物で揺られて猫にとっては
居心地がわるくて邪魔になるだけですので避けます。

相手方に渡すもの

・今まで使っていた猫の匂いのついた物（タオルやおもちゃ）
これは、猫が慣れていない環境に移っても
不安にならないための物です。
匂いのついた物があると安心するのも早いので、
気にいっていた物、よく寝ていた場所に敷いてあったタオルなど、
返却してもらわなくて良いものを選んで差し上げます。

・今までの成長記録や、今あげている餌の種類、
量などをメモしておきます。
先方で今までと同じ餌を購入するかわかりませんし、
量などもわからないので、出来れば今までの
餌も持っていくと良いでしょう。

・使っていたトイレの砂
トイレの箱を用意してもらいます。
どのような形のどのようなものが良いか教えた上で、
どうしてもないようならこちらで都合してあげても良いでしょう。

子猫ですとクッキーの缶などで充分です。
そこに使っていた匂いのついている砂を
一握り分ほどビニールに入れ、しっかり二重に口を閉めて、
同様にトイレに一回入れる分の砂を別のビニール袋に入れます。

こうしておけば、着いてすぐにその袋から
出してトイレが準備出来ます。
匂いのついているトイレがあれば
子猫も粗相する心配がなくなります。

トイレを置く場所なども教えてあげましょう。

避妊・去勢について伝えておく

最近に限らず、飼ったら飼いっ放しで
放っておいたらよその庭で子猫を
産んでしまったという話や、
手術費用を払う気もなくてそのままで・・・・
と、避妊、去勢手術をせずに飼っている人がいます。

子猫を増やす気があるのか、
ないならどのように考えているのか、それとなく聞いておきます。

そして、出来れば避妊、去勢の費用はこちらで負担してあげて下さい。
最近ではあげる側の常識として
避妊や去勢の手術費用負担は当然のことになりつつあります。

時期が来たら連絡して欲しいと伝え、
相手方の連絡先も聞いておき、こちらもその時期には
連絡してお金を渡すなり、こちらで獣医師に
連れて行くのも良いでしょう。

いたずらに不幸な猫を増やさないためにも、
また、また、子猫を人にあげる際にも
それだけの責任を最後まで見るということを伝えていくにも、
これは大事なことだと思います。

ただし、先方がきちんとした理由で、
子猫を産ませる気持ちがある場合は
そのような必要はありませんし手術を
強要してはいけません。

飼った経験のある人に里子に出すなら
問題はないのですが、飼ったことのない人のために
飼い方のポイントをメモに書いて渡してあげましょう。

又、猫もそれぞれに個性があるものです。
こちらとしても後々に不安になるよりは、
このようなことに気をつけて欲しい､
という事があったらメモに書いて渡しておきます。

また、里子に出した次の日あたりには
「有難うございました、迷惑かけてないですか、
どうでしょうか」という気遣いの電話の一本でもかけてみましょう。

こちらの不安や寂しさはありますが、
先方も初めて猫を飼って、不安は沢山あるでしょうから、
聞きたいことやわからないことがあるかもしれません。

この時の電話で何も心配がないようでしたら、
不必要にやたらと電話をかけるのは好ましくありません。

先方としても信用されていない、
とどこかわずらわしいと思われることもあると思います。
あとは、信用して差し上げたのですから、
幸せに暮らしていることを祈るだけです。

子猫が全員いなくなったら

母猫は少しずつ子猫が少なくなってくると、
最初は不安げに鳴いていても、
じきに忘れて元気になります。
優しくかまってあげましょう。


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